糸口
水の音が聞こえる。



水の音。いくつもの水の音が重なっている。


それらの音が、飽和点に今にも達しそうなほど十分に水気を含んだ空気に混じり、土や木々や滝壺に反響し、響きわたっているのだ。何かが変化しているから音が生じる、そんなことを改めて思い返すような意識を呼び起こす音と言える。
木々の葉の、細かな葉毛に掴まり存在を顕した水滴が、風に動かされ丸々とした露になり、滴る、音。見るからに柔らかで栄養を含んだ濃い茶色の土からジワジワと滲み出る水、そのうっすらと滲みでた水の集まりが土の窪みをチロチロと一つの筋を作りながらときどき方向を小さく変えて歩いている。これらの微かな水音に耳を傾けつつも常に聞こえてくるのが、あの滝の水音。あの滝は上品だ。大半の人が好きになるだろう。大きすぎもなく小さすぎもない、水しぶきもちょうどいい加減に小さな滝壺とこの一帯の土を潤している。自らの美しさを意識してか、滝はその流れを絶やすことなく流れ続けている。

しかしながら、ここで音について語りたかったわけではない。


女がいる。




まるで、音がその肌を通り抜けてしまうような透明感を持つ、美しい女がいる。








女が眠っているのだ、滝壺に浮かぶ滑らかで大きな岩の上に。いや、眠っているかは定かではない。確かに、長い睫は下を向き、深い寝息のような呼吸を腹の動きから確認できるが、目を瞑っているだけかもしれない。跳ね上がった水しぶきが女の肌に当たってまた微かな水音をたてている。


一糸纏わぬ姿、女の姿はそう呼ばれる状態に思えた。
しかし、女の小さな白い手のひらの上には、風に揺られる黒い糸の塊がふわりと置かれ、女の細い指で弱々しく握られていた。

一糸纏っている。

糸は女が意図して握っているのか、黒い糸は偶然手のひらにすべりこんだのか分からないが、結果として、女の一部になっていた。
とにもかくも、糸はその女に似つかわしくなかった。



透き通る肌、響き合う水の音、女を含めたこの一帯は自由であるのに、その黒い糸の塊だけが、『制限』やら『問題意識』を主張していた。


黒い糸の塊を持つ女。女は、糸を放り滝壺に飛び込み水と戯れるだろうか。細い指で糸を固く丸めるだろうか。それとも、何本によって構成されているか分からぬその糸の塊を、一本一本ほぐすのだろうか。もしかすれば、弱弱しく握ったまま眠り続けるかもしれない。分からない。それらの選択も、岩の上に眠る女の自由だ。しかし、そもそも自由に見える滝壺やら辺り一帯は自由なのだろうか。




僅かに風が吹く。糸は、今もふわりふわり、揺れている。そこに邪悪な意図は無い。ただ、糸は、ゆっくりと、しかしながら確実にからみあっていく。目を瞑る女は白い指にからみつく糸の変化を感じているのか。清々しい水の音が、響いている。
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【2007/08/24 00:51】 | バレエ |
lighten


KAORU


人の内面って球体のようで(一概に球体とは言えずさまざまな立体だがほぼ球体に近い)、さまざまな角度からライトのように光で照らすことが出来る。

暗闇の中映し出される内面。私たちは初めて『それを』認識することができる。

自らの光で照らすことの出来る部分はたかが知れてる、だから点や線や面だと思いこみ、球体だと気づく人も少ない。


私は、人によっていろんな印象を持たれるように思う。偽った自分ではなくどれも私。ライトの光が当たる部分が異なるだけだろう。(無意識に、時には意識的に映し出す部分が変化)

球体すべてを映し出したい、知りたい。ライトの光をみんな探している。

人に、新しい光を当てられる存在になりたいな。

ぷは(^-^)
【2007/08/23 17:05】 | バレエ |
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